健康プラザ

『白内障』
 白内障は、 カメラのレンズにあたる目の水晶体が白く濁ってしまった結果、 スリガラスを通して見ているかのように見づらくなって視力が低下する目の病気です。 高齢化社会の影響もあって患者の数は増え続ける状況にあり、 今や160万人以上と推察されています。
白内障の多くは老人性白内障だが・・・

 白内障患者の約85%は65歳以上の年齢層に集中しています。 大半は年齢を重ねることが原因の老人性白内障ということになりますが、 そのほかに生まれつきの白内障や眼外傷、 薬物とくにステロイドにより誘発されるもの、 糖尿病などほかの疾患から起こる白内障もあります。 白内障は一度水晶体が白く濁ると元にもどらず、 また現状では有効な薬物治療は開発されていないため、 唯一手術が有効な治療法となります。

白内障の原因
1) 老人性白内障
白内障の大多数を占める老人性白内障は、 原則としてすべて手術による治療の対象と考えられます。 患者自身が日常生活に不自由を感じた時期が手術を受ける時期となります。
2) 先天性白内障
生まれながらにして白内障が進行して弱視になる確率が高い場合はできるだけ早く手術を行うべきです。
3) アトピー性白内障
幼い時からアトピー性皮膚炎に悩まされている子供さんにアトピー性白内障の併発が多いと考えらています。 またアトピー性皮膚炎の患者には白内障だけでなく、放置すると失明にもなりかねない網膜剥離 (もうまくはくり) を起こしやすいため網膜の異常発見にも注意が必要です。 アトピー性白内障は顔に軽い炎症がある人の10%、 重い炎症がある人の20%に起こるという報告があります。
いずれにしても急激な白内障の進行に十分に注意して、 なるべく早い手術が必要です。
4) 糖尿病を併発している白内障
糖尿病では目の水晶体に糖分が蓄積して、 これが白内障の発症を早めるといわれています。 糖尿病は高血糖が原因となって網膜の細い血管がつまり、 出血や網膜剥離をおこし、 最悪の場合は失明にいたる糖尿病性網膜症へ進行します。 したがって血糖をうまくコントロールし、 眼底検査で網膜の状態をチェックしてもらう必要があります。 糖尿病患者に眼内レンズを使った白内障手術は不適当とされていましたが、 手術法の進歩で目にかかる負担も大幅に減少し、 良好な結果が得られるようになってきました。

白内障の手術
 白内障の手術はこの10〜15年間で飛躍的な進歩をとげました。 国内での白内障手術は20年前の約10万眼から現在では60万眼以上ともいわれています。

手術は点眼麻酔の後、角膜上部に3ミリ程度の切開を行い、 水晶体を包む嚢 (のう) の前面に穴をあけ、 ストローのような吸引器を入れて、 水晶体の硬い核を超音波で砕いて吸い込み、 残った嚢の後部に直径6ミリの眼内レンズを挿入するという方法が一般的で手術は長くても30分程度で終了します。 眼内レンズは日常生活で見る頻度が高い距離を、 あらかじめ患者が手術前にピントを合わせたい距離として設定しておいたものを使用します。 しかし眼内レンズは人の水晶体と違って1つの焦点にしか焦点を合わせられないため、 それ以外の距離を鮮明に見るためにはメガネ等で矯正する必要があります。

 白内障の手術は1990年代半ばから、 緑内障などの重い合併症や重症高血圧、 重篤な心臓病など手術後の管理に注意が必要なケースを除いて、 『日帰り手術』 が可能となりました。 白内障手術に10日〜2週間ほどの入院が必要だった20年程前までの時代を考えると患者の身体にかかる負担や精神的な負担がかなり軽減されてきました。

白内障手術後のケア
 白内障手術を終えても期待していたほどの視界が得られなくて肩を落としている人の話もよく耳にします。 そのようなときには術前に設定した眼内レンズの焦点の不具合を調整するためのメガネなどは必要ないか?、 また嚢の前部に残った水晶体の上皮細胞が手術後、 増殖をしてゼリー状になって広がり、 透明な嚢の後部を覆ってしまい再び見えにくくなるといった、 『後発白内障』 が白内障手術を受けた患者の約10〜20%におこり、しかも比較的若い人に多いといわれています。 これはレーザー治療で比較的簡単に治すことができます。
いずれにしましても主治医とよく相談することが大切でしょう。

まとめ
 白内障は加齢によっておこる病気と決めつけないで、 早めに対処しないと失明にもなりかねない先天性白内障や糖尿病・緑内障に併発した白内障、 さらには現代病といっても過言ではないアトピー性皮膚炎にともなうアトピー性白内障など、 定期的な眼の検査で白内障に対する予防策を講じておきたいものです。

クリニックうしたに 院長 牛 谷 義 秀

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