『目の成人病ともいわれる緑内障』

「白内障」はよく聞くけど、一字違いの「緑内障」という目の病気を耳にされたことは少ないと思います。 白内障は「目がかすんで見えない」など、ある程度年をとってしまうとわずらっても仕方のない病気と一般的には受けとめられています。 白内障は年齢を重ねたり、 眼球の外傷、 ステロイドなどの薬物使用の結果、 目の中の水晶体というレンズが濁ってしまうためにおこるものです (図−1)。

一方、 緑内障はあまり自覚症状がないうちに進んでしまい放置すると失明してしまうことがある、 こわい目の病気なので十分な注意が必要です。

視力がよくても目が健康だとは限らない!

緑内障は眼圧が上昇することによって引き起こされる目の病気とされています。 眼圧とは図2に示された房水 (角膜の後方スペースにある) と硝子体とで構成される眼球内容の圧力のことで、 この圧力が正常であることで眼球が球形に近い形を維持できているのです。 一般に10〜21mmHgが正常眼圧とされ、 21mmHgより高い場合には緑内障が疑われ、 24mmHg以上の高眼圧では緑内障と診断します。 (図3. 眼圧測定風景)。 ところが最近では眼圧が正常でも視神経が萎縮し、 視野 (目が見える範囲) 異常をきたしてしまい、 最終的には視力を失って失明してしまう 「正常眼圧緑内障」 が決して少なくないことがわかってきました。 したがって眼科を受診しても眼圧測定だけでは発見されず、 視神経の変化を観察する眼底検査ではじめて診断がつくこともあります。

緑内障の原因

眼球内の水晶体の周囲は『房水』といわれる液体で満たされています。 この房水が一定に保たれていることで眼球が球状に保たれ、 物を正常に見ることができます。 『房水』は目の毛様体でつくられ循環しますが、 房水の循環が悪くなると眼圧が高くなり視神経を圧迫し、 視野が狭くなるなどの障害をきたします。 一度損傷を受けた視神経は元通りになることはほとんどなく、 放置すると次第に失明してしまいます。

緑内障の頻度

 
 緑内障の頻度は全人口の約0.5〜1%とされ、 全国の患者数は約250万人以上と推計されています。 中でも40歳以上になりますと約2% (100人に2人程度) の割合で発症すると考えられています。 また人種や国、 地域による差異があるともいわれています。

目の検診のおすすめ!         

視力がよければ目が健康だと勘違いしている人が実に多いのです。 今まで注目されなかったのは、 緑内障に対する知識が一般の方々に広まっていなかったのとそれを積極的に問題視できていなかった医療サイドにも責任があるかもしれません。 これからは、 視力検査だけでなく眼底検査などの目の検診も定期的に受けるようにしたいものです。

図1.眼球、視神経および周辺組織の断面

図2.眼球を構成する組織の名称

図3.代表的なゴールドマン眼圧計による眼圧測定風景


クリニックうしたに 院長 牛谷義秀