『ゴルフと突然死』

「宮崎は真冬でもゴルフができる!」と県内外から平日休日を問わず、ゴルフファンが訪れます。スポーツランド宮崎でゴルフをゆっくりと楽しんでもらうために「ゴルフと突然死」の関係を検証してみましょう。

1.突然死とは?

世界保健機構(WHO)によれば、突然死とは「瞬間死または急性症状発症後24時間以内の死亡で、事故死などの非自然死を含まないもの」と定義されています。簡単に言うと、「発症から24時間以内にだれも予想しなかった形で迎えた死亡」ということになります。

2.ゴルフ場で突然死される人の数は?
 ゴルフ場で突然死された人は実際にはどれくらいいらっしゃるのか?を調べてみました。1984年からの13年間に全国で合計373人がゴルフ場で突然死されており、そのうち4060代の男性が80%以上であったと報告されており、月別発生件数では4月と5月が最多となっています。また2001年、西日本の158ヶ所のゴルフ場で発生した事故の報告内容によりますと、けが466件(ボールやクラブ:235件、カート:119件、転倒・転落:112件)のほか、急病は47件あり、そのうち26人が突然死されています。さらに関東甲信越地方の172ヶ所のゴルフ場を対象にしたアンケート調査によると、プレー中の突然死は1年間に6人であり、全員が中高年の男性で死因は心筋梗塞や心不全であったと報告されています。この数はジョギングや水泳などのほかのスポーツに比べてはるかに大きな数値です(表1スポーツ中の突然死の原因)。60歳以上では、ゴルフ中の突然死がランニング中の突然死の約7.9倍の危険率であったとも報告されています。これはすなわち“ゴルフが危険なスポーツである”ことを意味するものではありません。中高年層でのゴルフ競技人口がほかのスポーツに比べて多いということが必然的に高い突然死率につながってしまったと考えられます。
3.突然死の原因は?

運動の内容はそれほど激しくはないのに、なぜこれほどまでにゴルフで突然死するのか?、その理由が混沌としていて、これまではっきりしませんでした。運動中、心拍数が早いもののあまり変化することがないほかのスポーツに対して、ゴルフはショットのたびごとに心拍数や血圧は急激に上昇し打ったとたんに低下してしまう、これを繰り返すたびに心臓に大きな負担がかかっています。さらに体が温まらないホールで、ティーショット、第2打、第3打で瞬発力を使い、息をはずませながらグリーンにあがったにもかかわらず、息を止めてパット状態に入るため、心臓や脳は酸欠状態となってしまい、血圧や心拍数はさらに急激に上昇して非常に危険な状態になってしまいます。
 現在全国には約2,600ヶ所のゴルフ場があります。ゴルフは安全なスポーツとして若い人から高齢者まで幅広い年齢層に支持され、日本のゴルフ人口は今や1100万人を越えています。ゴルフ場における突然死の発生場所は図1に示したようにフェアウェイのショットだけでなくグリーン上のパター、特に2・3番グリーン上が多いと言われています。また突然死の原因は心不全・心筋梗塞がほとんど(約85%)であり、続いて脳卒中となっています。冬の寒さで血管が収縮して血圧は上昇し、リラックスしようと吸うタバコも実は血管を縮ませ血圧を上昇させる原因であり、突然死の危険度をますます高めてしまいます。睡眠不足や二日酔いでのプレー、真夏のプレーや飲酒がもたらす脱水状態も引き金になりやすいと考えられています。突然死はゴルフプレイヤーの約4割を占める40歳以上の中高年層で、しかも高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病が急激に増える40歳以上の中高年層に集中しています。
 さらにゴルフは“スコアをまとめたいという期待感と結果がともなわない落胆感とのギャップによってもたらされる、ストレスの大きいスポーツ”ともいえます。ストレスを解消すべくゴルフ場に向かう意気込みとは裏腹に、多くのゴルフファンにとってストレスをためこむスポーツにもなっています。

また、ゴルフ場は一般に医療機関から離れた郊外にあり、しかも医療体制が整っていないために万が一の時に間に合わないことも突然死に至ってしまう大きな原因と考えられています。

4.突然死にならないために!
 @定期的に健康診断を受けて健康保持に努めましょう。
 A運動前には十分なウォーミングアップを行いましょう。
 B体調の悪いときにはプレーは控えましょう。
 Cプレー前夜は十分な睡眠を取りましょう。
 Dラウンド中の飲酒は控えましょう。
 E季節に関わらず、ラウンド中は水分を十分に取りましょう。
 F異常を感じたら、すぐに中止して最寄りの医療機関を受診しましょう。


     医療法人将優会 クリニックうしたに
                               牛 谷 義 秀

 1 スポーツ中の突然死の原因(年齢別)

〜39歳

40〜64歳

65歳〜

1位

ランニング

ゴルフ

ゲートボール

2位

水泳

ランニング

ゴルフ

3位

サッカー

水泳

ランニング

4位

野球

登山

登山

5位

体操

スキー

水泳・ダンス

6位

そのほか

そのほか

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