『家庭で血圧をはかる』

車社会といわれる今日、家庭によっては車も2〜3台所有されているところが多く、また携帯電話の普及率に至っては爆発的と言ってもよいでしょう。
そんな中年齢が若い家庭はともかく、そろそろ生活習慣病が気になる壮熟年以上の家庭では血圧計も生活必需品のひとつに加えてもよさそうです。
統計的には血圧計は国民の7人にひとり、全国で約2000万台が購入されているそうです。
『家庭で血圧を計る』意味やその正しい測定方法について考えてみたいと思います。


家庭用血圧計

比較的安くで購入できるようになった家庭用血圧計は小型で軽量、しかも技術の進歩により信頼性が高くなりました。
今や血圧計も一家に一台、血圧も『自分で計る時代』といえましょう。
外来での診察に際して血圧を計ることはこれまで極く当たり前のことでした。
しかしながら「病院にくると血圧が上がるのよ!」という言葉を患者さんからよく聞きます。
これは『白衣性高血圧』と呼ばれています。
わかりやすい表現では「病院以外のところでは正常なのに、病院で計ると決まって高い血圧」となってしまうことです。
血圧はいろいろな環境のもとで常に変化しますので、ひょっとしたら最も緊張度が高いと考えられる病院で血圧が上がるのも仕方ないことかもしれません。
そのような理由から、ある一時点での血圧すなわち病院だけで一日の血圧を代表させることにはいささか問題があります。
皆さんが家庭用血圧計で血圧を計測すると運動、食事、入浴、喫煙および感情の起伏で血圧が大きく変動するものであることがお分かりいただけると思います。
同時に、高血圧とその恐さに対する認識が高まるものと思います。

血圧の特性

一般に血圧は昼間高く、夜間に低くなるという特性があります。
また血圧は腕、手首、膝などいろいろなところで計測できますが、計る場所で多少の血圧変動が認められます。
家庭用血圧計として販売されているものには腕用、手首用、指用の3種類がありますが、現段階では腕用血圧計が精度や安定性の上で最も優れていると考えられていますので購入の際は腕用血圧計をお勧めします。

血圧を上手に測るには

  1. 測定タイミング
    血圧は測定する直前5分間は少なくとも静かな状態で、しかも座って計るのが原則です。
    また肩こりや頭痛など体調が悪い時や不幸な出来事に見舞われて精神状態が穏やかでないような場合、さらには極端に寒かったり暑かったりなど環境によって血圧が大きく変動することが懸念される時間帯での測定は避けたほうがよいでしょう。

  2. 測定時刻
    決まった条件のもとで定時的に測定するのがのぞましいと考えられます。
    理想的な測定時刻は

    1. 起床して30分以内、排尿後、食前、服薬前
    2. 食後、服薬後、入浴後、排尿後で就寝30分前

    と考えられています。またこのほか日中にも1回は計る時間があるといいでしょう。

  3. 測定方法
    血圧を腕で測定する場合、腕に巻くカフは脈波センサー(通常は赤い○印がついている)が拍動する動脈の上にあたるように、またきつくならない程度の強さで巻くことが大切です。またカフを巻いた腕の位置は心臓の高さにあることがのぞましいとされています。

  4. 測定回数
    血圧を続けて計ると血圧は計るたびに低くなる傾向があります。したがって血圧測定は一度に一回の血圧測定がのぞましいと考えられます。

家庭用血圧計と医療用血圧計の違いを確認         

家庭用血圧計と病院の血圧計とで数値が大いに異なることがあります。
病院で計る血圧は140/90mmHgが正常血圧の上限とされていますが、家庭で計る場合はやや低めに計測されることが期待されるため135/85mmHgを上限と考えるのがよいでしょう。

一部の患者さんでは血圧変動に神経質になりすぎるあまり、かえって血圧が高くなる人もいらっしゃいます。
しかし家庭で血圧を計ることは自分の本当の血圧変動を知る上で、また自分の健康状態を知る上でたいへん有用と考えられます。
これらの情報が高血圧治療の上で極めて大切な情報であることはいうまでもありません。

クリニックうしたに 院長 牛谷義秀