『外反母趾』

足の親指が小指の方に曲がる一方で、逆に親指の付け根の関節部分が内側へ突出してしまった状態を「外反母趾」といいます。右足を上の方から見ると「くの字形」に曲がって見えます。病状が進行すると親指が人さし指の下に入りこんで変形が進むと同時に激しい痛みをともなうようになります。


1.外反母趾の原因

外反母趾を元に戻すのは困難といわれています。したがって原因をよく知って予防することが大切です。
外反母趾は10:1の比率で男性に比べて女性に圧倒的に多いといわれています。外反母趾になる理由として、先天性あるいは遺伝性(@おばあちゃんやお母さんが外反母趾だという人、A親指が人さし指より長い人、B全身の関節が緩む病気の人)、関節リウマチや痛風などの関節炎後の変形があげられますが、なによりもハイヒールや小さな靴をはく習慣がもっとも大きな原因と考えられており、女性に多いのも最もだと考えられます。一般には高校や大学を卒業して社会人になってハイヒールをはき始めて数年たった頃から足の痛みを訴える人が多くなっています。

2. 外反母趾の症状

外反母趾の症状をいち早くキャッチして症状の進行を食い止めることがとても大切なことです。そのために次のような症状を自己チェックしてみましょう。

1.親指が人さし指の方に曲がっている

2.親指の付け根の関節部分が突出している

3.突出した部分が赤くはれ上がっている

4.親指が人さし指の下に入り込む

5.ハイヒールをはくと痛い部分がある

3.外反母趾の治療法

 鼻緒のある下駄」や「ぞうり」をはく習慣があった戦前までの日本では外反母趾に悩まされる人はほとんどいなかったといわれています。戦後の日本では、ほとんどの人が靴をはく習慣をもち、また凹凸のないアスファルト道路等の普及とあいまって、親指や足底筋の筋力が低下してしまい健康な足が失われることになってしまったのです。したがって治療法として足のすべての指を開いたり閉じたりする運動(図1)や親指と人さし指の間で物をつかむ運動(図2)をしたり、図3のようなトーストレーター、クッション、パッドが軽い外反母趾に効果的です。また、図4のようにさまざまな矯正装具が考案されておりますが、歩行時に使えないため夜間装具として使用するなど患者の要望に応じて作成する必要があります。
 早期発見すれば手術しなくてもすむことが多いのですが、日常生活に支障があるようになると手術が必要になります。手術には1時間半から2時間が必要ですが、手術がうまくいったからといっても手術前のような靴を愛用してしまうとすぐに再発します。

4.外反母趾の予防法         

外反母趾が進行してくると、親指の内側の神経が圧迫されて痛んだり、姿勢が悪くなって腰痛や膝痛を併発することがあります。外反母趾の予防は、@ハイヒールをはかない、Aきつい靴や小さな靴をはかないの2つに極言できるでしょう。そこで一般的な靴の選び方に加えて外反母趾の足に合う靴選びのポイントをあげてみました。靴選びのポイント

  1. 足は運動後や夕方の方が足が大きくなったりむくんだりするので、夕方購入する
  2. つま先は指が親指が1本入る程度とし、かかとと靴の間は小指1本がやっと入るくらいが理想的である
  3. 足の甲は安定させるために調節可能なひも付き靴がのぞましい
  4. 片足でなく両足に靴をはいてみる
  用途に応じた靴のはき替えも大切です。通勤時と職場などでの使い分けのほか、スポーツもランニング用、ウォーキング用、テニス用、バスケットボール用など足先への荷重のかかり方ではき替えるのがよいと考えられるようになりました。足先のことで悩んでおられる方は一度トライしてみましょう。