皮膚のかゆみー乾燥肌の予防ー

湿度が低く空気が乾燥した日本の冬は、肌が乾燥します。肌の水分が失われると、皮膚は紫外線や、摩擦などの影響を受けやすくなり皮膚のトラブルが多くなります。

冬はお年寄りの肌に大敵!

冬が近づくとお年寄りの方が「まごのて」を愛用していらっしゃる風景をよく見受けます。個人差はあるものの、だれでも年をとってくると皮膚が乾燥してきます。皮膚のうるおいは『皮脂』と呼ばれる「あぶらと水分」で一定に保たれていますが、このバランスの乱れによって皮膚がカサカサになってしまうのがかゆみの原因です。
かゆみは手足、太もも、さらには背中全体にわたって広がることが多く、ひどいときには皮膚がひび割れたり、網目状の亀裂が入ったりしてしまいます。「かゆみが強い」からと引っかき続けると、さらに悪化して『皮脂欠乏性湿疹』になってしまい、ひどい目にあってしまうことも少なくありません。

かゆみの予防

肌の乾燥は老化によるものだけとは限りません。地球温暖化がさけばれて久しくなりましたが、皮膚の乾燥が進む環境要因が増えているのも事実です。今から20年ほど前までは、霜柱を踏みつけたり水溜りに張った氷を割って遊んだりする子供達の遊び風景はごく当たり前でした。ところが最近では霜柱さえ知らない子供達が多いと聞きます。「最近の女性は若いのに肌の水分が少ない」と嘆く美容専門家もおられます。暖房による肌の乾燥、不規則な生活パターンや栄養バランスの悪い食事など、原因はいろいろあります。このようにして考えると、乾燥肌に関わるトラブルはお年よりだけの問題ではないようです。

日常生活のちょっとした心がけで、不愉快な皮膚のかゆみを予防しましょう。

  1. 乾燥を防ぐビタミン(A・B群、E)(表1参照)などを取りましょう。
  2. お酒や強い香辛料などの刺激物のとり過ぎは、体が温まりかゆみがひどくなるのでひかえましょう。
  3. 入浴は長時間にならないように、また2回以上の入浴も避けましょう。せっけんやシャンプー、タオルによる洗い過ぎは皮脂を落として皮膚を乾燥させてかゆみが悪化する原因になります。
  4. 暖房による湿度の低下に注意が必要です。加湿器などを使って湿度を保つことが大切です。とくに電気毛布や電気シーツなど肌を直接乾燥させてしまう暖房器具には注意が必要です。
  5. 刺激が少ない、なめらかな素材の木綿製品などの肌着を選びましょう。
  6. 肌が乾燥してしまう風呂あがりなどは保温剤を皮膚に塗ってうるおいを保ちましょう。
    毎日こまめに肌の手入れを行って、健やかにこの冬を乗り切りたいものですが、やはり皮膚のかゆみは時には耐えがたいものです。また乾燥だけがかゆみの原因とも限りません。かゆみが続くようなら医療機関をたずねてきちんとした診断を受けて、内服薬や外用剤の処方をしてもらうのがよいでしょう。

1 ビタミンA、B群、E多く含む食品
ビタミンの種類 それぞれのビタミンが多く含まれる主な食品
ビタミンA やつめうなぎ、レバー、あんこう、あゆ、のり
ビタミンB1 こめ、小麦胚芽、大豆、のり、豚(ロース、もも)
B2 やつめうなぎ、こめ、酵母、レバー(豚)、のり
B6 にんにく、ぎんなん、マグロ、ニワトリ、小麦胚芽
B12 ほしのり、しじみ、あさり、ほっきがい、かき(生)
ビタミンE マーガリン、植物油、アーモンド、小麦胚芽、落花生

クリニックうしたに 院長 牛谷義秀