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慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
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昔ほど青洟をたらしている子供は見かけなくなりました。それでも風邪がはやる時期に出始めた黄白色の鼻水が4週間たってもまだ治らずに困りはてて病院を受診してくる人がいます。急性副鼻腔炎から慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に進展しないように注意したいものです。副鼻腔炎は毎年1000万〜1500万人の人が発症するといわれています。


1.副鼻腔炎って何ですか?

細菌やウイルスなどによる急性上気道炎に引き続いておこる副鼻腔の粘膜の炎症のことを副鼻腔炎と呼んでいます。副鼻腔の粘膜に炎症がおこると大量の粘液が作り出され、鼻汁として鼻腔から排出されます。副鼻腔炎はハウスダストや花粉症などのアレルギーでもおこりますが、副鼻腔と鼻腔との間の小さな通路が粘膜の腫れのためにふさがれてしまい、副鼻腔内で産生され細菌に感染した粘液や膿が排出されずに副鼻腔内にたまってしまうことが大きな原因と考えられています。急性副鼻腔炎にかかっても、治療すればそのほとんどは遅くとも4週間までには治ってしまいます。しかし4週間を過ぎても鼻づまりや鼻汁などが続いている場合はなかなか治りづらい慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になってしまいます。


2.副鼻腔とは?
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頭の内部には鼻や目を取り巻くようにして4種類の「骨の空洞」があります。これを副鼻腔と呼んでおり、すべての副鼻腔は鼻腔と小さな通路でつながっています。

左右の目の間の奥にあるのが篩骨洞、おでこの裏にあるのが前頭洞、両頬の裏にあるのが上顎洞、鼻腔の奥にあるのが蝶形骨洞と呼ばれています。この副鼻腔におこった炎症は副鼻腔炎といわれ、一般的には蓄膿症と呼ばれてきました。


3.急性副鼻腔炎の症状

風邪などの症状に引き続き、頭痛、発熱、目の奥や頬の痛み、歯の痛み、鼻づまりや臭いのある鼻汁などの症状が見られます。とくに目の周囲の腫れや視覚の異常は失明にいたることもあるので注意が必要です。


4.慢性副鼻腔炎の原因と症状

慢性副鼻腔炎は急性副鼻腔炎の繰り返しや扁桃腺炎、虫歯の炎症の波及、飛行機や潜水での気圧の変化など、さまざまな原因でおこります。慢性副鼻腔炎になると鼻の粘膜の腫れによる鼻づまり、色のついた粘調性の鼻汁、嗅覚の低下(臭いがわからない)などの症状のほか、鼻汁が喉の奥にまわり込み(後鼻漏)、慢性気管支炎や気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎の合併など実にやっかいな病状になることがあります。また頭痛や頭重感などに加えて集中力がなくなったり仕事の能率が上がらなくなったりします。

慢性副鼻腔炎がいったん起こるとなかなか治りにくくなります。おおよその目安として、半年で50%、約1年かかって約70%の人が良くなるといわれていますが、悪化すると完治することが困難となってきます。


5.副鼻腔炎の診断
  1. 耳鼻科の専門医が鼻腔をのぞいて診察すると簡単に診断できます。汚い鼻汁が出ていないか?粘膜の腫れはどうか?などを観察します。
  2. レントゲン検査で副鼻腔の粘膜の腫れや粘液のたまりはどうかを診断します。
  3. レントゲン写真で見にくい場合や細かく観察したい場合、副鼻腔炎以外の病気が考えられる場合はCT検査やMRI検査が有効です。

6.副鼻腔炎の治療
1)急性副鼻腔炎

基本的には副鼻腔や鼻腔の粘膜の腫れをとり、鼻腔と副鼻腔との通路を開通させ通気をよくして、鼻汁を外に出してあげることです。抗生物質や消化酵素剤、粘液溶解剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤の内服のほか、副鼻腔内へ抗生物質を注入したり、炎症をおこしている粘膜へ霧状の抗炎症剤を噴霧(ネブライザー)したりします。

2)慢性副鼻腔炎

急性期とは違ってマクロライド系の抗生物質を少量長期的に内服することが有効と考えられています。抗生物質や抗炎症剤の内服、鼻のネブライザーなどの治療を3ヶ月試みても軽快しない場合は、手術が考慮されます。手術には副鼻腔炎をおこしているのがどの副鼻腔かによって、鼻の中にカメラを入れて行なう鼻内内視鏡手術、歯肉を切開して上顎洞内を清掃する上顎洞根治術、眉毛から鼻の根元へ向けて切開し前頭洞内をきれいにする前頭洞手術などが行われます。


7.副鼻腔炎の予防

副鼻腔炎の予防は何といっても風邪をひかないことです。普段からうがいや手洗いに心がけることが大切です。また鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎や鼻の粘膜にポリープができる鼻茸などが重度の時は鼻の通気性と排膿をよくするために手術が必要となることがあります。


いろいろな副鼻腔炎のMRI画像
図1 上顎洞 図2 前頭洞

図3 篩骨洞 図4 蝶形骨洞

医療法人 将優会クリニックうしたに
理事長・院長 牛谷義秀
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社団法人宮崎県トラック協会
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